代理店業務品質評価運営 担当者インタビュー
2023年2月24日、ホロスプランニングは生命保険協会による乗合代理店業務品質調査の結果、評価基準の基本項目をすべて達成しました。今回は、本制度を達成するために現場レベルでの全体指揮をおこなったプロジェクトリーダーへインタビュー行いました。
株式会社 ホロスプランニング
品質推進本部長 兼 拠点業務統括部長
佐藤 政信(さとう まさのぶ)
この審査をホロスが受けることになった経緯は?
Q:審査項目が公表される前から準備はされていたのですか?(経営陣からの情報等)
当社は日頃から募集品質・業務品質の向上には取り組んでいますが、審査のための準備は特段何もしていませんでした。生命保険協会のサイトで公開されている代理店業務品質スタディグループの議事内容や堀井さんの情報から、評価項目の選定に相当苦慮されていることを知っていたので、いつかこの制度がスタートするまでには準備しようという程度で考えていました。
Q:評価基準210の項目を始めて見たとき、どう思いましたか?
検討段階から審査項目案は見ていたので、その多さには特段驚きませんでした。しかし、いざ4つの視点『顧客対応』『アフターフォロー』『個人情報保護』『ガバナンス』に従い自己採点を行ってみたところ散々な結果だったので「今年は無理、来年頑張ろう!」と気持ちを切り替え、他の業務に注力していました。
Q:審査を受ける会社の意図を聞き、感じたことは?
「代理店業務品質評価運営」制度は、厳しい審査のあるミシュランガイドと似ていることから、堀井さんに生命保険代理店業界の「三ツ星レストランを目指す!」と聞いたとき、正直いうと私は、「それは必要なのだろうか」と思いました。星など無くても、地域に根ざした『美味しくて身近な料理店』は沢山あります。単純に『美味くて身近な料理店』であれば、星など要りません。
でも、保険業界には『美味しい保険代理店』などなく、商材の仕入れ先は保険会社で皆同じ、値段も保障内容も同じ。違いは料理人に相当する担当者のコンサルティング力になりますが、目には見えません。「当社(募集人=将来設計士)のコンサルティング力は凄いです!」と言ったところで証明するものが何もなく、この差別化に苦労して来られた保険代理店の経営者はとても多いのではないでしょうか。
この制度が出来た背景から、星を取りに行かなければ当社に在籍する将来設計士の素晴らしさを証明することが出来ない、そう気付いたとき、審査に合格することは必然と理解しました。
審査のエントリーを決めてから行ったこと
Q:プロジェクトメンバーの選定と役割は?
当社は事業推進本部と品質推進本部の2本部制で攻めと守りを役割分担し、組織運営を行っています。そのため品質推進本部が事務局となり、浦野社長をプロジェクトリーダーとするチーム編成を行いました。ITインフラ系担当のシステム部門や労務管理担当の総務人事部、募集管理業務を担う品質管理部門でメンバーを構成し、堀井会長にはアドバイザーとして参加いただきました。
Q:初動で行った対策は?
やりたくても出来ないことは沢山ありました。目的を実現するためには人・物・金の要素を満たす必要があり、特に資金が無ければ挑戦すら出来ません。そのため、チェックシートに対する現状把握と並行して、各項目の担当部門を決定し、新たに投資を要するハード・ソフト・インフラで見込まれる費用の概算額算定を進めました。
「この費用ではダメだね」と否決されることに多少期待する邪念を抱きながら、3,000万円から1億円程度の概算費用を経営陣に提示した訳ですが、経営陣から満場一致で賛同を得られてしまいました。そこで覚悟を決めてこのプロジェクトに臨みました。
Q:基準達成において、何が一番大変そうと感じましたか?
『個人情報保護』に関することです。社内インフラは整備されていても、社外通信環境の整備は技術的に複雑ですので、感覚的に大変そうと感じました。幸い当社はパソコンも携帯電話も貸与していますが、それらを含めたインフラの整備費用面での負担は非常に重いものでした。
Q:実際に取り組んで、想定と違ったことはありますか?
情報管理と業務のやり易さはトレードオフの関係です。ガードを堅くするとPC等の操作に対するレスポンスの低下や業務の煩雑さを懸念していたので、業務にストレスの無い環境の整備に苦慮した点は想定内でした。一方、『顧客対応』『個人情報保護』『ガバナンス』に関するマニュアルは大方整備されていたので加筆や修正程度で済みましたが、乗合代理店向けの『アフターフォロー』に関する情報が極端に少なく、独自で業務フローの再構築から取り組んだことは想定外でした。
Q:一番大変だったポイントは?どうやって乗り越えましたか?
一番のポイントは、業務品質評価運営に取り組む社内意識の統一です。将来設計士1人1人は、常日頃から顧客本位の業務運営に取り組んでいるので、「別に星が無くても困らない」、それが本音だと思います。その状況で品質管理部門が適正さを追求し、営業部門が『ルールが厳しい・そこまで必要なのか?』と意識の乖離が生じて会社組織が分断してしまったら本末転倒です。
『美味くて身近な料理店』から『三ツ星レストラン』を目指すことを全社員に対して経営者が表明し、在籍者が元々個々に持っているプライドを会社組織の『HOLOS-PRIDE』として集約すること、そして会社組織や属する個人の気持ちや意識の見えないものに対して、客観的な査証をえることの意味を共有することが最も大切だと思います。
ターニングポイントのひとつとなったのは、経営陣(堀井会長や浦野社長)からのオンライン/オフライン全体説明により、社内のベクトルが統一されたことでした。社員一人一人から協力が得られることが出来、スムーズに不足部分の解消を進められたのです。
とは言え、当たり前に取り組んで来た業務を審査項目に従って確認すると、意外にPDCAサイクルの不備が散見されます。Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)から効果確認を経てPlanに戻るところが脆弱であったことは否めません。期間も限られたので、この補強を完了後の恒常的な運営・運用実態まで持っていくことが困難でした。
Q:審査を達成するために工夫すべきポイントはありましたか?
簡単に審査に合格することなど不可能であることはご存知だと思います。工夫で審査を乗り越えられるアドバイスは残念ながら思い浮かびません。
佐藤部長ご自身のことをお聞かせください
Q:業務遂行にあたるチベーションの源泉は?
ホロスプランニングで働いて10年になります。私が入社時から目指し公言しているのは、「業務品質・募集品質で日本一になる!」ことです。非常に困難ですが今回の審査に合格したことで、一歩近づいたと思っています。また、一緒に働く人全体を含めた質の高さを証明された点も嬉しく思います。
Q:他代理店との情報交換等はありますか?
営業面のプラットフォームは業界内で確立されている一方、募集管理を含めた業務フロー面では独自性が高く、得られた情報を活用することが難しいかもしれません。でも、他の代理店はどのように業務フローを構築されているのか、情報交流の機会があればいいな、と思います。個人所有パソコンや個人携帯電話にて保険募集活動を行っている代理店さんがどのように個人情報の管理を行われているのか興味があります。
コンプライアンスの観点から、ホロスが目指す代理店像は?
コンプライアンス(法令遵守)からコンダクト(conduct:行為、品行、管理、運営)を意識した組織運営やモニタリング体制の強化が課題と捉えています。
金融庁が求める「顧客本位の業務運営」の実践として、法令を遵守することは当然ですが、プロフェッショナルとして求められる倫理観を持った活動が求められます。また、提供するサービスが一定のレベルに足りなくても過剰となっても苦情に発展します。どこまでが不足し、どこからが過剰となるのか、定義に苦慮する面も否めませんが、モニタリング結果を組織運営に反映させながら、常に品質向上を図る体制とすることが、永続的な課題であると認識しています。
その結果、これまで以上にお客様から選ばれる信頼・信用される保険代理店、「ミシュラン三ツ星に相応しい代理店」を目指したいと思います。
(質問:ホロスプランニング営業開発部/回答:品質推進本部)
関連項目:代理店業務品質評価運営制度について
https://www.holos.jp/quality_survey/
【HPH230427-002-01】
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